
オリーブの収穫に出くわした。果てしなく延々と続くオリーブ畑が多い中、道路脇でこれを見れることは少ない。また高速道路では車を止めることは出来ない。一般道路を走っていた時に、しかもカメラを持っていた。幸運中の幸運といっていい。、畑で誰も仕事してないですねとよく聞かれることがある。延々と続くオリーブ畑の、バス車窓から見える範囲内に農作業をしている風景を見れることの方が可能性が少ないのだ。昔は棒の先に釘を二本打ち、それで実を引っかき落としていた。今回見たのは電気振動機で揺さぶり落とすというもので、下にネットが張ってあって実をかき集めるのだが葉も落ちているからその仕分けはおばさんたちがやっていた。テレビで見たのはトラクターのような大型機械で木自体を揺らしていたが、あれでは木が傷むのではないか他人事だが心配になった。時々オリーブ畑の中に家がポツンとあることがある。あんな所に住んで不便でしょうねとこれまたよく聞かれるのだが、あれは常時人が住んでいる訳でなく収穫期の時にJornaleroと呼ばれる臨時雇いの仮宿舎だ。何せ広大だから仕事が終わって自分農地まで帰るは難しかったのだ。しかし今は車で行くからこの仮宿舎はほとんど使われていない。袋につめてあったオリーブの実がどの程度の重さなのか興味あって持ち上げようとしたがびくともしなかった。60kほどだと言っていたから大変な重労働だ。しかも埃だらけだ。若者がやりたがないのが分かる気がする。しかしこの無限に続くと思えるオリーブ畑のオリーブの一本1本をほとんど手作業でやっていくのだから気が遠くなってくる。
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近年オリーブ油が脚光をあびるようになったきっかけはアメリカのミネソタ大学の教授の研究発表の結果によるところが多い。アメリカ人を筆頭に世界的に肥満体の人とそれに伴って心臓疾患者が増えていることに注目し、世界いくつかの国々の食習慣並びに動脈疾患の関連発症率を調べたところ北欧の人々と地中海沿岸の人々はほぼ同じぐらい脂肪摂取しているにもかかわらず地中海沿岸の人々は血清コレステロール値が低く動脈疾患死が少なかったことが分かった。酸化された脂肪は血栓をつくりやすい。つまり血管内の老廃物がたまって血液が通りにくくなる。しかしオリーブ油に含まれるオイレン酸は酸化されにくい脂肪酸なのだ。さらに最近の心臓病学会ではオリーブ油を使う食事は動脈硬化が原因となる心臓病が少ないことが証明された。つまり悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす効果があることが分かった。またオリーブの絞りかすも最近のバイオマスのブームによって非常に注目されている。まだまだ改良、改善する必要があるがすでに商品になっているという。ブッシュ大統領のバイオマス促進政策の発言以来、大豆、小麦、トウモロコシなど穀物が高値を呼んでいる。それを主食とする人々は大変だ。だがこのオリーブやオレンジの絞りかすだとこの手の問題はない。正に一石二鳥、三鳥である。

スペイン料理のベースは何が何でもオリーブ油と言って間違いない。最近のテレビ局はどこでも料理番組を必ずやっている。日本で四六時中やっているので当然なような気がするかもしれないが昔は(二、三十年前)全くそういう番組はなかった。昼食時にやるので見る気はなしにいつも見てしまうのだが、まずフライパンを加熱しオリーブオイルを注ぎたまねぎのみじん切りを加える。これから後は日によって違うがここまではほぼ毎日同じだ。つまりオリーブ油はスペイン料理の基本中の基本である。随分昔の話だが日本の村山首相がローマ、サミットで腹痛を起こし、あるメディアがオリーブ油に当たったようだと書いてしまった。イタリアはスペインに次ぐオリーブ生産国でありこれまた料理のベースはオリーブ油であり重要な輸出品目だ。これを確かな裏付けもなくオリーブ油のせいにしてしまった。イタリアは日本政府にイタリア大使を通して謝罪を求め、それを扱った新聞も落ち度を認め謝罪文を載せる一幕があった。イタリアもスペイン同様にオリーブ油は自慢なのだ。人の食文化を傷つけるようなことを大新聞が書くと反響は大きい。さてオリーブの収穫だが場所によってだいぶバラつきがあるが冬場の一月から三月が多い。したの網をはって棒の先に二本の釘を打ったもので実をかき落とす。うまい人がやると実だけを落とすがヘタがやるとやたらと葉まで落としてしまう。重労働である。今は機械化されていて機械で収穫する所もあるとと聞いたが現場は見たことはない。どんな機械なのか興味のあるところだ。写真にあるのは棒の先に口を取り付け挟んでかき落とす式だがこの式はスペインでは一般的ではない。